五年前の私へ。

5年前、野方の狭いアパートで息をするのもやっとだった頃。

人間に感情に希望的観測に、そして一番は莫迦な自分に、絶望するしかなかった頃。

 

すべてがどうでもよくなって、夏の日差しから逃げるようにカーテンを閉じてクーラーの温度を下げまくって毛布にくるまっていた頃。

ふと、このどうしようもなさを記録したくて、誰かに聞いてほしくて、でも知ってる人なんかには恥ずかしくて話せなくて。ストレートな文章なんかを書いてしまったら心が潰されてしまいそうで。

誰からもフォローされていないツイッターアカウントで、短歌を書いていたことがある。

 

そのアカウントは、何年か経ってからふとしたタイミングで仲の良い友人に知られることになるんだけど、それはまた別の話になるので割愛する。

 

まあとにかく、未だに知り合いですら2人、あとは短歌を書いてる方3人という、フォロワーが5人しかいないアカウントを作るだけ作って、すっかり忘れていた。

昨年は半年に一回、ポツリと短歌を書いてみたけれど、書いたら満足してしまって、やっぱりそれのことも、すぐ忘れていた。

 

そんな忘れていた自分の絶望を、ひょんなことでとある人に教えることになった。

あとで気に入ったものを教えてくださいと言ってみたところ、その場でひとつ、音読をしてくれた。

胃がぐるぐるするほど恥ずかしく、そして五年前の私が救われてしまいそうでかなしくて、嬉しかった。

私の絶望なんてその程度で、滑稽で、時間が経てば薄れていくんだ。

 

私へ。大丈夫だよ、自分は驚くほど莫迦だから。